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民話から学ぶアフリカ文化【3つの特徴】

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実は私、あまり本を読みません!
 
そんな私が久しぶりに気になって本を1冊買い、読みました!
 
この本に日本と東アフリカ(主にタンザニア)の生活の違いや死生観の違い、
逆に日本に住んでいる私達でもアフリカとの共通点があったりでとても考えさせられる内容だったのでご紹介いたします!
お父さんお母さんはぜひお子さまにも読み聞かせて欲しいです!!
 
 
 

東アフリカの民話は人から人へ繋ぎ、形をかえる

アフリカ民話は本にして人に読み聞かせるわけではなく
人から聞いた民話を人から人へと語り繋いでいきます
 
この本の中の1つに【七つの頭を持った蛇】という話があります。
これは、“見るな”の禁を破った主人公が、大きな代償をおってしまうという話なのですが、この話に登場する主人公の父親の結末は話には描かれていません。
 
もしこの話を聞いて父親の結末を自分で作りたければ作っても構いません。
主人公の父親が生きていてもいいし死んでしまってもいいのです。
 
自分の耳で聞いて想像したことを、自分の口で、人に拡げていく。
そうやって“形を変えて”アフリカ民話は代々、人から人へと語り継がれていきます
 
 
 

死因なんて気にしない。タンザニア ザンジバルの死生観

私達日本人は有名人など人が亡くなるとついつい気になっちゃうことってありませんか?
 
“何故亡くなったのだろ?病気かな?事故かな?”
 
これは考えたことある人が殆どかと思います。
私も考えたことがあります。
実際有名人が亡くなった場合死因も一緒に報道されますし、特に不思議なことではありませんよね?
 
ザンジバルでは違います
 
人が亡くなったら
「その人の死ぬ日がきたんだ」と考えます。
その人がその人の“人生を全うした”と考えるので死因について深く話すことはありません
 
それはこの本でアフリカ民話を解説している島岡由美子さんも話しています
 
死ぬ日が来たんだと言われてもあまり納得できなくてお悔やみの言葉のあとで、しつこく
「病気だったのですか?事故で?」
などと聞いたりして、逆に遺族から変な顔をされたこともあります。

 

日本はアフリカほど人の死が身近ではないです。
アフリカ人の死への意識を聞くと、日本人の私は日常的に死というものから遠い意識の場所にいるんだと感じます。
 
 
 

独特の発想力!アフリカ民話の特徴

この本のなかで特に多かったのは貧しい家庭の話です
日本の昔話でも貧しい家の話はよく聞きますが、アフリカ民話もそこは変わらないようです
金持ちで嫌味な人間と貧乏だけど心が綺麗な人
これは万国共通なのかもしれません。
 
さらにアフリカ民話で面白いと思ったのは
私達が普段当たり前に思っている事柄を面白く理由付けして民話にしている。
という所です。
 
例えばこの本の1番最初の話で
「しんぞうとひげ」という民話があります。
 
この話は
とてもお腹を空かせた心臓とヒゲが出会い、ヒゲは我慢出来ずにしんぞうを食べようとします。
そして心臓は逃げた先に居た人間に私をかくまって!と助けを求め、口から人間の身体の中に入ります。
追い付いたヒゲは、人間の身体に入った心臓が口から出てきたときにすぐ食べれるよう人間の口の周りで待ちます。
 
こうして人間はヒゲが生えて心臓が胸にある。

 

というなんとも面白い話です
 
他にもネズミと猫の話やハチとハエの話など、科学的な目線で見ると何を言ってんだと思われそうな話が、アフリカ民話ではとてもおもしろおかしく描かれています
 
まず心臓とヒゲが登場するって読み始めた瞬間にビックリしますよね。笑
 
こういう豊かな発想は日本ほど文明の発達していないアフリカだからこその産物なのかもしれません
 
 
 

まとめ

日本でもアフリカでも民話に共通していたのは
“昔話から教訓を学ぶ”
ということでした。
悪いことをすればしっぺ返しがあり、欲にまみれれば失敗する。
 
アフリカ民話はアフリカの生活の中での表現なため、日本との文化の違いや価値観の違いをこの本から感じることもできます。
 
アフリカ民話は日常でつい忘れがちだったことをふと思い出させてくれるような素敵な本です。
アフリカに興味のある方もそうですが、
お子さんに読み聞かせるのにもとても良いと思います!
 
この本を読んで、日本とアフリカの素晴らしさを改めて感じて頂きたいです。